冬の展示「胸肩妃」


棟方の女人崇拝は、ムナカタ姓の起源への想いも関係があるでしょう。棟方は自らの姓のルーツが九州にあるとします。福岡県宗像市の宗像大社、この宗像の字は古事記や日本書紀において胸肩と記されます。後に宗形、宗像、牟奈加多などと表記を変え、九州から青森へ入るまでに棟方の字となったことから、棟方は「大きな祖流が、この神社とつながりある事かと何時も胸つまる想ひに手を拍つのだ」(『板愛染』1948)と、南方から北方へと繋がる先祖の血の流れを意識し、誇りにしていました。その宗像大社の祭神である宗像三女神は道主貴とも呼ばれ、航海や交通安全の神として崇められています。棟方も1959年の初渡米時の船中、太平洋の真ん中で宗像女神を心ゆくまで彫ったそうです。中でも市杵島姫神は弁財天と同一視され、棟方は弁財天を好んで描きました。
冬の展示では、棟方が己の起源に想いを馳せ、祈りを込めて生涯好んで描きつづけた、躍動し、天を舞い、大地に立つ、やわらかくも力強く美しい表情豊かな女人像をご紹介します。
会場
棟方志功記念館
住所
青森市松原2-1-2
電話番号&FAX
TEL:017-777-4567 FAX:017-734-5611
期間
2020年12月08日~2021年03月14日
お問い合わせ
棟方志功記念館 017-777-4567