あおもり案内名人-ちょっと気になる、あおもりのおいしいモノ版-

ちょっと気になる、あおもりのおいしいモノ版

くじら餅と板かりんとう

第7回「くじら餅と板かりんとう編」

(紹介者:有限会社 永井久慈良餅店 代表取締役 永井秀貞さん)

久慈良餅と板かりんとう

浅虫温泉名物「久慈良餅と板かりんとう」。青森市民なら誰でも知っていて、一度は食べたことがあるといっても過言ではないでしょう。津軽のお米を製粉し、こし餡・砂糖などを混ぜて蒸し上げる「久慈良餅」。小麦粉・黒ゴマ等に蜜を入れた種を薄切りにして揚げた「板かりんとう」。どちらも素朴で飽きのこない、まさしくふるさとの味です。

・一家に一本「永井の久慈良餅」

昭和の時代、「スイーツ」という言葉がまだ聞かれなかった頃、青森市民の代表的なお菓子として「永井の久慈良餅」がありました。浅虫へ行くのはちょっとした小旅行、おみやげでいただくのが楽しみでした。浅虫の老舗「永井久慈良餅店」は明治40年(1907年)に創業、療養や湯治の場であった浅虫温泉のおみやげとして「いく久しく慈しまれる良い餅であるように」と、作られたそうです。永井元祖久慈良餅本舗は惜しまれつつも2015年に閉店しましたが、分家であるこちらのお店は現在の社長である3代目の永井さんが伝統の味を守り続けています。

・浅虫温泉の老舗として

温泉饅頭のような銘菓が、浅虫温泉の場合は「久慈良餅」。「板かりんとう」のパリパリ感は、若い人に人気のようです。民芸を感じさせる包装紙や板かりんとうのパッケージのイラストは青森市出身の版画家、佐藤米次郎(1915~2001)氏によるもので、今だからこその新鮮さがあります。30年ほど前に使われていたお菓子のしおりには「賜 皇太子殿下御夫婦御買上の栄」文字も見られ、青森のいで湯、昔からの温泉地として全国に知られている浅虫温泉の歴史を感じさせます。また、買い求める方の6割以上が地元青森、残り4割が観光客のおみやげ用という比率も、地元に根付いた銘菓であることの表れですね。

・ミニサイズも販売中

久慈良餅と板かりんとうには、約半分のミニサイズのものもあります。「もっと小さいサイズのものが欲しい」というお客さまの声から生まれた商品だそうです。ミニ久慈良餅(数量限定)はラビナ店で、ミニ板かりんとうは新青森駅店とラビナ店で販売しています。ちょっと食べたいときの食べきりサイズも、ファンとしては嬉しい商品ですね。
個人的な見解になりますが、本店で購入できる作りたての「久慈良餅」をぜひ一度、食べてみて欲しいと思っています。
そのおいしさに、圧倒されます。(笑)

趣のある本店外観
浅虫名物「永井の久慈良餅」
佐藤米次郎氏による包装紙

永井久慈良餅店